
勝どき発、専門店が手がける米粉ドーナツ
「SILK AND ILY DONUT」が目指すのは、自分を大切にするひとときを日常のスタンダードにすることです。食に関する事業を手がけてきたぐるなびは、地域に暮らす人たちが日常的に立ち寄れ、手土産としても選ばれるフードを模索し、その答えとして選んだのはドーナツでした。日常のおやつにも、誰かへの手土産にもなじむ菓子として、2つのラインを軸に据えています。
絹の口どけ/もちっと弾力
生ドーナツ「SILK DONUT(以下SILK)」は、北海道産小麦を使ったブリオッシュ生地に和三盆をまとわせた、絹のような口どけが特徴。一方の米粉入りドーナツ「ILY DONUT(以下ILY)」は、国産米粉ならではのもちっとした食感で、和菓子にも通じるやさしい余韻があります。異なる個性を持つ2つのラインが、場面や気分で選ぶ楽しさを生んでいます。

和素材の持ち味をドーナツで表現
ILYの発想の根底にあるのは、米への親しみです。「日本人がもともと主食として親しんできたお米だからこそ、ドーナツという新しい形で手に取ってほしい」と市川さんは話します。オープン時のフレーバーは、みたらし海苔・和三盆きなこ・抹茶の3種。和の素材をドーナツという形でどう表現するか。それが開発の出発点でした。
食べ比べてわかる、それぞれの個性

実際に生ドーナツと米粉入りドーナツを食べ比べてみると、その違いは明快です。
生ドーナツの「SILK」は、北海道産小麦を使ったブリオッシュ生地で、ふわっと軽く、絹のようになめらかな口どけが特徴。一方、米粉入りドーナツの「ILY」は、表面のカリッとした歯ざわりのあとに、もちっとした弾力が広がります。和菓子を思わせる余韻がありながらも、ドーナツとしての満足感もあります。
ドーナツのような餅のような新体験
「これはドーナツなのか、お餅なのか、あるいは別のデザートなのかという不思議な新食感を体験してほしいです」と市川さんは話します。みたらし海苔は、甘辛い蜜がカリッとした表面に絡み、どこか懐かしさのある味わいに。和三盆きなこと抹茶は、米粉生地のやさしい甘さとよくなじみます。試食の場では、「きなこ餅の進化系」「ふわふわとしっとりのいいバランス」といった声が聞かれ、ドーナツを選ぶ楽しさが増えました。

くせになる食感の秘密は、配合にあり
この食感の鍵は小麦粉と米粉の配合にあります。レシピは約3カ月かけて試行錯誤し、国産米粉も6種類ほど試したといいます。もちっとした食感を保ちながら、手でちぎったときの心地よさも感じられる生地になるまで、繰り返しバランスを調整しました。
勝どきから届ける、新しい日常のスタンダード

店舗を構える勝どきは、住宅街とオフィスが混在するエリアです。運河沿いの開放感も心地よく、暖かい時期にはテラス席でドーナツとコーヒーをゆっくり楽しめます。
コーヒーはドーナツに合わせた少し苦めのオリジナルブレンドで、生ドーナツと同じ生クリームを使ったクリームラテやモカキャラメルも。店の前を通りがかると、ドーナツにクリームを入れる仕上げの工程が見え、目にもおいしい時間が流れます。
ご褒美に手土産に、暮らしに寄り添う
近くデリバリーの導入も予定しており、仕事先や自宅から注文・受け取りも構想しているそうです。訪問先への手土産として店に寄らずに直接届ける使い方も視野に入れており、勝どきから離れた場所からも利用しやすくなります。
米粉入りドーナツは、手土産の場面でとくに存在感を発揮しそうです。箱の中にひとつ入っているだけでも、「これ、米粉なんだ!」と会話のきっかけになり、生ドーナツとの食べ比べを通して、自然と話が広がるでしょう。和の素材を生かした味わいは年齢を問わず親しみやすく、少し気の利いた手土産としても選びやすい一品です。

和素材、フルーツ、食事系——米粉が示すポテンシャル
今後は、米粉入りドーナツでも旬のフルーツを使ったものやカレーなどの食事系の試作も進めており、フレーバーの幅を広げていく予定です。旬の素材や暦に合わせて季節ごとのラインナップを楽しめる店を目指しています。
「米粉を活用したドーナツを通じて、お米の魅力を再発見してもらいたいです。将来的には海外のお客様にも受け入れられる商品へ育て、日本の食文化を広げる挑戦につなげていけたら」と市川さんは話します。
ごはんとしてだけでなく、ドーナツやデザートとして楽しむお米。新しいフードスタイルが、SILK AND ILY DONUTの米粉入りドーナツから広がっていきそうです。
