まずはじめに、米粉アンバサダーの活動を通して感じた米粉の魅力をお聞かせください。
「どんな食材と合わせても馴染みやすいというのは、使ってみて感じた魅力の一つです。もちろん米粉独自の香りや味わいはありますが、ほかの食材の個性を邪魔しないんですよね。もともと揚げものに使うことはありましたが、生地をつくるときなどに使用したことでそうした利点にも気付かされました」。
以前、シェフがつくるお料理はフレンチのテクニックを用いた『革新的日本料理』とお話されていましたが「Auberge "eaufeu"」のお料理においては、米粉のどんなところが生きていますか。
「米粉アンバサダーに就任してから改めて考えたときに、食べていただいても気づかれないくらいさり気なく、料理に日本のエッセンスを込められるところも米粉のよさだと実感しました。僕が学んできたフランス料理の世界では米粉を使わないんですが、フレンチのテクニックによって日本の食材を仕立てる『Auberge "eaufeu"』の料理スタイルには、すごく合っている食材ですね」。
米粉アンバサダーとして米粉を使用したレシピも開発いただいていますが、使い勝手はいかがでしょう?
「レシピを考えながら感じたのは、ほかの粉や食材と混ぜることで、米粉のよさがより生きるということ。先ほどお話したように米粉はほかの食材をあまり邪魔しないので、いつものレシピの一部に米粉を入れてみると、新しい発見があるかもしれません。表現できる食感も多彩ですしね」。
具体的に、どんなお料理に使った際にそのよさを実感しましたか。
「生地にそば粉を使う、ガレットというフランス料理に使ったときですね。そば粉に米粉をくわえてつくってみたら、なかなかいい出来でした。そば粉の香りはちゃんと生きつつ、米粉によってそば粉だけでは出ない軽やかさが出たんですよ。米粉の個性を実感したという点でいえば、以前家庭用レシピでピロシキをつくったときに驚くほど食べごたえのある仕上がりになりました。米粉100%のものと、米粉と強力粉を50%の割合で混ぜたものの2パターンのレシピでつくってみたんですが、食べ比べてみたら、圧倒的に米粉のみでつくったほうが食べごたえがあって」。
食感という視点で見たときに、相性がいいと思う調理法は?
「揚げものや生地との相性は抜群。揚げものはカリッと軽やかに仕上げてくれて、生地に使うと独特なもちもち感が出せますし。ご家庭に一袋あると便利ですよ!」。
家庭で使う場合のアドバイスもいただけますでしょうか。
「米粉を生かした使いかたをしなきゃ! って考えるとハードルが上がってしまうので、何でもいいんです。例えばソースのとろみ付けに使ってみたり、魚料理のムニエルをつくるときに魚に振る小麦粉を米粉にしてみるとか。そうして使っていくうちに、米粉が生活に馴染んでいくと思いますし、米粉の特性をつかんでいただけるのではないでしょうか」。
米粉アンバサダーとしての活動はまだまだ続きます。最後に、これからの意気込みをお聞かせください。
「僕らの活動を通して、もっと米粉が日常的に使われるようになったら嬉しいです。食材としての特徴や味わいを知っていただくことで、ご家庭でも『この料理には米粉が合いそうだな、じゃぁ入れようか』というように、当たり前に使われるようになると理想的ですね。より多くの方に親しんでいただけるきっかけになるよう、引き続き頑張りたいと思います」。