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米粉と上新粉の違いについて

米粉と上新粉の違いについて

米粉はお米を粉にしたもの。和菓子でよく用いられる上新粉も、米粉の一種に含まれます。近年の米粉(新用途米粉)は、特殊な製法で上新粉よりも細かく粉砕されていて、でんぷんの損傷が少なく、お菓子やパン、料理にまで幅広く使用できるのが特徴です。この記事では、米粉と上新粉の特徴や違い、用途について解説します。

そもそも米粉の原料はうるち米ともち米に分かれる

そもそも米粉の原料はうるち米ともち米に分かれる
  米粉 上新粉 白玉粉 もち粉 道明寺粉 落雁粉
原料 うるち米・もち米 うるち米 もち米 もち米 もち米 もち米
製法 洗った生米を乾燥させ、粉砕する。水を加えて粉砕するものもある 洗った米を乾燥させ、粉砕する 洗った米に水を加えながら細かく粉砕し、水中に沈んだ粉を乾燥させる 洗ったもち米を乾燥させ、粉砕する 生米を蒸してから乾燥させ、粉砕する 道明寺湖をさらに細かく粉砕し、白煎りする
特徴 技術の進歩により非常に細かく粉砕されていて、小麦粉の代わりに使える 米の風味と歯ごたえのある食感が楽しめる つるっとした食感でもちもちとしている 米の風味と歯ごたえのある食感が楽しめる 粘り気が強い 独特な香ばしさがある
用途 パン・ケーキ・天ぷらなど小麦粉の代用、和菓子・もち米料理など 団子・ういろう・かるかん・かしわ餅など 白玉団子・求肥・大福など 大福・最中・求肥など さくら餅・おはぎ・おこしなど 落雁など

同じうるち米が原料の米粉と上新粉の大きな違いは、粒子の細かさです。小麦粉と同程度、もしくはそれ以上に細かく粉砕された米粉は200~400メッシュ程度。上新粉は約90メッシュ程度と米粉よりも粒子が粗めです。

また製粉方法にも少し違いがあり、上新粉は粘り気が出やすいロール製粉法で製粉されています。一方、米粉は、時間をかけてきめ細かく粉砕する胴付き製粉法や、気流粉砕など用途によって、様々な製粉方法が採用されています。

上新粉は粘り気があり米の風味が感じられ、米粉は口当たりが良くなめらかな食感に仕上がるのが特徴です。

米粉は上新粉で代用できる?

米粉は上新粉で代用できる?

上新粉はうるち米を原料としたものを指すのに対して、米粉はうるち米ともち米を粉末にしたものを総称して呼ばれています。もち粉や白玉粉なども米粉に分類されますが、一般的に市販されている米粉は主にうるち米を原料とした料理や製菓・製パン向けのもの。もち米から作られる米粉は、それぞれの名称ごとに販売されています。

米粉と上新粉は、同じうるち米から作られていて味や風味に大きな違いがなく、お互いに代用することができます。ただし、粒子の細かさや製法が異なるため、仕上がりや食感に差が出ることも。例えば、米粉で作った団子は粘り気が少なく軽い食感になり、上新粉でケーキを作ると、弾力がある生地に仕上がることがあります。

どの料理に使う?米粉と上新粉の賢い使い分け

どの料理に使う?米粉と上新粉の賢い使い分け

米粉は小麦粉で作られるパンやケーキ、麺などの料理に向いています。上新粉は粘り気と歯ごたえがあるので、和菓子作りや料理のとろみ付けとして使用されるのが一般的です。ここからは、米粉と上新粉でお互い代用した場合の、仕上がりの違いについて解説します。

パン

上新粉でパンを作ると、粒子の粗さによって少しぼそぼそとした仕上がりに。米粉パンと同じ発酵時間でも、あまり膨らまず、見た目のふわふわ感も少なめです。味はお米の風味と自然な甘みをしっかりと感じられますが、米粉パンならではのふわもち食感を楽しむなら米粉、またはパン用米粉を使うのが良いでしょう。

クッキー

クッキーは、米粉と上新粉どちらで作ってもさくさくとした歯触りの良い食感に仕上がります。上新粉で作るクッキーは、米粉のクッキーよりもほろほろとしていて、くちどけの良さも楽しめますよ。ただし上新粉のみのクッキーは、時間が経つと固くなってしまうので、早めに消費するか、米粉やアーモンドプードルなどと混ぜて使う、もしくは製菓用米粉を使用するのがおすすめです。

ケーキ

粒子の粗い上新粉で作るケーキはふくらみが弱い傾向に。ケーキに使用したい場合は、スポンジケーキではなく、チーズケーキやパウンドケーキなどずっしりとしたケーキがおすすめです。中はしっとりふわっとして、表面はサクッと仕上がります。スポンジケーキやシフォンケーキなどには、ふんわりと仕上がる米粉が扱いやすいです。

和菓子

上新粉特有の粘り気を活かして作る和菓子に対して、米粉はややもちっとした軽い口当たりになります。米粉をどら焼きや蒸し羊かんなどの和菓子に使用する場合は、その独特な食感を楽しめます。

米粉と上新粉の違いを知って料理に活用しよう

同じうるち米から作られる米粉と上新粉は、製粉方法や粒子の大きさが違うので仕上がりや食感が異なります。それぞれの特徴を活かしてお菓子やパン、料理作りを楽しんでくださいね。

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