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今回もコースのなかで米粉をつかったメニューを2品提供いただきますが、まずアミューズの「よもぎ米粉ドーナツ」について教えてください。

「シュー生地と擦った丸芋、米粉を混ぜた生地に、よもぎのパウダーを練り込んだ一口サイズのドーナツです。シュー生地は生地をふわふわに仕上げてくれて、丸芋はぐっと弾力を出してくれる。米粉はそれらのまとめ役であり、ほどよくもちもち感もくわえてくれています」。

口に近づけると、よもぎのいい香りがしますね。

「揚げてすぐによもぎのパウダーを表面にもまぶしているので、食後もその余韻を感じていただけるかと。表面には少量の砂糖もかけていますが、あくまでもアミューズなので甘くなりすぎず、よもぎの風味をしっかり感じていただけるように仕立てています」。

食材のこだわりも教えてください。

「すべての料理に言えますが、『オーベルジュ オーフ』では近くで採れた野草や花をはじめ、地元の食材を中心に使います。よもぎのパウダーに関してはオーフのそばに自生しているよもぎを使った自家製、丸芋は主に能美市とここ小松市で栽培されている加賀丸芋です。ちなみに加賀丸芋は、その粘り気の強さから受験などに“落ちない”縁起物としても地元では知られているんですよ」。

「よもぎ米粉ドーナツ」

盛り付けも素敵ですね。

「器は、お店の目の前にある採石場で採れた日華石という石なんです。この器をベースに、あえてよもぎの葉をあしらうだけのシンプルな盛り付けにしました。テーブルの上に、ぽんと小松の自然が置かれているようなイメージで。見て食べて味わっていただきながら、この土地らしさを感じていただけたら」。

普段盛り付けをされるときは、どんなことを意識されているんですか?

「いつも盛りながら決めていくんですが、例えばこのよもぎの葉のような植物なら、自然のなかに生えている姿が一番綺麗に見えると思うんですよね。なので自生しているときの姿を意識して盛ることが多いです。反対に、徹底して美しさを追求することもあって。切り口をしっかりと整えたり、形を綺麗に魅せるよう意識したり」。

もう一品は、糸井シェフの得意とされているタコスですね。

「こちらでは、生地に米粉を使いました。生地の材料は、米粉と自家製のぬか床のぬかをパウダー状にしたもの。双方を混ぜて焼いてみたら、サワーブレッドのようないい香りがする生地に仕上がりました。ぬか床は精米するときに出るお米の外皮などが主な原料なので、同じくお米から作られる米粉とは相性がいいのでは? と思ったんですが、まさにぴったりでしたね。この生地で、上に載っている具材をくるんで召し上がっていただきます。ちなみに器は、加賀の須田菁華窯(すだ・せいか)さんの九谷焼き。素敵ですよね」。

上に載っている具材についても教えてください。

「メインは、生地の材料にもした自家製のぬかに漬け込んだ鯖。塩で脱水してから一晩ぬかに漬けて、盛る際に皮身を炙っています。この鯖と赤酢で伸ばしたクリームチーズを塗った生地との間に、自家製のガリと近くの農園で採れたカボスのドレッシングで和えた柿、セロリ、ディルが入っています」。

「こんか鯖の米粉タコス」

鯖の調理法に関しては、どんなところからイメージを膨らませたのでしょうか。

「ぬかに漬けるというアイデアは、こんか鯖から発想しました。小松市と同じ北陸地方の福井県・若狭などの特産としても知られている、塩漬けにした魚をぬかに漬け込んだ食べ物です」。

2品のお話を聞きながら、糸井シェフのお料理にはさまざまな発想が込められていると感じました。最後に、お料理をつくるときに大切にされていることを伺えますでしょうか。

「いろいろな食材を使っていても味わいにまとまりを持たせることと、食材それぞれのおいしさが生きること。複雑すぎて食べたときに何を食べているのか分からなくならないように、味のまとまりは特に重視しています。この2品に関しては、米粉の食感とわずかに感じる風味が、食材たちをまとめてくれているんですよ。米粉にはいろんな使い方がありますが、僕はこうしたまとめ役としても重宝していますね」。

「Auberge "eaufeu"」米粉メニューフェアvol.2

  • メニュー名:「よもぎ米粉ドーナツ」「こんか鯖の米粉タコス」
  • 提供方法:コース19,800円(税込)の一品として
  • 提供期間:10月1日~11月15日(予定)
  • 予約はこちら(https://eaufeu.jp/
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