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2024年11月30日(土)まで開催中の、米粉の新しい可能性を追求したグルメを提供する「米コのグルメ~米粉を使ったグルメフェア2024~」。米・米粉消費拡大推進プロジェクトが手がける同フェアは、大手外食チェーンや日本全国の飲食店など、2000店舗以上の飲食店と連携。各店舗では米粉を使った限定メニューや、フェア開催に合わせて開発した新商品を提供します。

今年は新たな店舗も加わり、より多彩な米粉メニューが登場。会見冒頭では、事業実施主体である株式会社ぐるなび専務執行役員・飲食店支援事業部長の齊藤美穂さんが挨拶に立ちました。

「私の息子が小麦アレルギーのため、成長にともなっていろんな料理に興味を持ちはじめたときに、どんな料理が出せるか不安を覚えたこともありました。でも近年は米粉のパン粉などが普及して、とんかつやサクサクの焼き菓子など、彼の『この料理が食べたい』という夢がどんどん叶えられています」と語りました。

「米粉は、食の楽しみと食に可能性を与えられる食材だと実感しています。今回のフェアでも、昨年よりも多種多様な米粉グルメが登場し、メニューの幅が広がりました。ぜひ味わっていただけたら。日本はお米の国です。米と米粉をたくさん食べましょう」と、自身のエピソードも交えて挨拶を締めくくりました。

食のエキスパートたちが米粉の魅力と可能性を語る。 米粉グルメフェアの先行試食会をレポート
食のエキスパートたちが米粉の魅力と可能性を語る。 米粉グルメフェアの先行試食会をレポート

続くトークセッションでは、米粉メニューを展開するフェア参加企業と、雑誌『料理王国』相談役の中沢美佐子さんが登壇。各自が思う米粉の魅力や、これからの展望を語りました。

どらやき専門店「YURINAN -ゆうりんあん-」の創業者である、マックスむらいこと村井智建さんは「約7割のお客さまがインバウンドなんですが、グルテンフリーであるか質問いただくことが非常に多い。そこでみなさんの食に対する意識の高さを受け、米粉を使ったどらやきの開発を試みました。米粉特有のモチモチ感を楽しんでいただける仕上がりになりお客さまからも大変好評ですが、米粉100パーセントのレシピではないので、ゆくゆくは米粉100パーセントで作った生地を開発できたら」と話しました。

グルテンフリーの米粉麺を開発した、日本初の塩ラーメン専門店「龍旗信」の代表取締役・松原龍司さんは「米粉麺は、打ちたてがおいしいんです。米粉が水分を含んでくれるので、弾力や喉ごしが出るんですよ」と、小麦麺にはない魅力を話しました。

本場韓国のレシピにこだわる焼肉店「明月館」を運営するエム・ジーコーポレーション(明月館グループ)代表取締役・東 正成さんは、食のセミナーを訪れた際に米粉を使ったさまざまな麺を試食したエピソードを披露。

食のエキスパートたちが米粉の魅力と可能性を語る。 米粉グルメフェアの先行試食会をレポート
食のエキスパートたちが米粉の魅力と可能性を語る。 米粉グルメフェアの先行試食会をレポート

「ひとくちに米粉を使った麺と言っても、それぞれに特徴あることを知りました。今後もメニュー開発に力を入れていくとともに、このフェアを通して、米粉のよさをみなさんに知ってもらえたら」と話しました。

そして、いち早くフェアメニューを試食したという雑誌『料理王国』相談役の中沢美佐子さんは「米粉をうまく使ったメニューを開発してくださったと感じています」と、各店舗のフェアメニューに太鼓判を押します。

「以前の米粉は、小麦粉の代替品やアレルギー対策に使う素材という印象があり、おいしいというイメージを持っている人が少なかったと思います。ですがここ数年は、米粉の良さを理解して料理に取り入れるシェフも増えてきました。米粉を単に小麦粉の代用品として使うだけではなく、米粉ならではの食感やとろみ付けとしてなど、米粉自体の良さを生かして取り入れていらっしゃる印象です。これからもどんどん新しいメニューが生まれるのではないか」と、米粉という食材が広がりをみせていることについて期待をあらわにしました。

さらに「いま登壇いただいている3店舗のメニューは、『本当に米粉で作ったのかな?』と感じたほど、米粉という食材の概念が覆されました」と、驚きを隠せない様子です。

食のエキスパートたちが米粉の魅力と可能性を語る。 米粉グルメフェアの先行試食会をレポート

会見中盤では、今年からフェアに参加した店舗の新メニューも紹介。35年以上の歴史を持つ、京都発祥のベーカリー『グランディール』を運営する株式会社オールハーツ・カンパニー マーケティング本部 商品企画室の西塚紗恵さんは、「日本の食料受給率の低下に危機感を持って、今回のフェアに参加しました。フェアメニューでお出しする新商品の『米粉のプティさつま』がお客さまに届いたときに、米粉の可能性を考えるきっかけになれば」と、賛同した動機を話しました。

「生地は米粉特有のもっちり感にくわえて、翌日までしっとりとする食感、噛むほどに甘くなる味わいにこだわりました。米粉のあとを引く甘さを味わっていただけたら。サツマイモはそんな生地を邪魔しない、しっとりとした甘さの鳴門金時芋を選んでいます」。

続いては、『大衆居酒屋とりいちず』の運営元、株式会社FS.shakeとりいちず事業部 事業部長の齊藤学さんが。こちらでは、「秘伝のでか鶏唐揚げ」に米粉を使っています。数年前までは小麦粉を使用していましたが「米粉にしたことで、揚げてから時間が経ってもサクサク食感を感じられます」とのこと。「大人の方からお子さままで幅広い層に喜んでいただけるよう、これからも米粉による商品を開発していきたい」と、今後の展望を話してくれました。

「今回、初めて米粉にチャレンジしました」というのは、フルーツタルトで知られる『ラ・メゾン・アンソレイユターブル』を運営する株式会社ピー・エス・コープ商品開発室 シェフパティシエの水田桂子さん。フェアでは「シャインマスカットとラ・フランスの彩りフルーツタルト」が登場します。

「米粉でどんなことができるか試行錯誤し、タルト生地に米粉を50パーセント入れ、クレーム・ダマンドにも米粉を使用しました。しっかりと米粉の味わいを持たせつつ、フルーツとタルトのバランス、ハーモニーにこだわっています。クレーム・ダマンドに米粉を入れると、水分が中に閉じ込められてしっとり感が増すという発見もあったんですよ」と話しました。

食のエキスパートたちが米粉の魅力と可能性を語る。 米粉グルメフェアの先行試食会をレポート
食のエキスパートたちが米粉の魅力と可能性を語る。 米粉グルメフェアの先行試食会をレポート

またフェア期間中は、NHKエデュケーショナル『みんなのきょうの料理』と日本料理店『賛否両論』の店主・笠原将弘さんとのコラボ企画も実施。このために考案した3つの米粉レシピを、同サイトと米粉タイムズで紹介中です。

レシピについて、笠原さんは「米粉を使ったからこそ、この味になる! というこだわりを持って考えました」といいます。

「とろみ付けに米粉を使った『かぼちゃとしいたけの鶏そぼろあんかけ』は、定番の片栗粉よりもさらっと口当たりよく、するするお口に入るとろみになっています。こちらの試作中に、米粉はダマになってもおいしいという発見もあって(笑)。食べてみたらお餅のようでおいしかったんですよ。作るときに、わざとダマにしてもいいんじゃないかと思ったくらい」。

『豚とさつまいもから揚げねぎだれがけ』については「米粉はさらっと薄付きなため、片栗粉や小麦粉よりもサクッと軽めに仕上がりますし、油も吸わないから冷めてもおいしい。胃もたれしないのも、大きなポイントですよね」とのこと。「サツマイモにもうっすら米粉をまぶして揚げているんですが、サラサラとした米粉は野菜にたっぷり付きにくいんです。なので一度付けてから霧吹きで湿らせて、もう一度付けるとおいしく仕上がりますよ」と、調理時のコツも伝授。

「『サーモン米粉焼き 米粉クリームソース』では、お魚に軽く米粉をまぶしてムニエルにしています。魚の周りに米粉が付くことによって旨味も閉じ込められますし、間接的に火が入るのでパサつかずに焼けます。ベシャメルソースにも米粉を使っていますが、小麦粉よりもサラッとした軽い仕上がりになりましたね。これからも、米粉によってこの料理がさらにおいしくなる! という発見をどんどんしていけたら」と、締めくくりました。

食のエキスパートたちが米粉の魅力と可能性を語る。 米粉グルメフェアの先行試食会をレポート
食のエキスパートたちが米粉の魅力と可能性を語る。 米粉グルメフェアの先行試食会をレポート

会見後は、試食コーナーに賛同企業のメニューが登場。ベーグル専門店『BAGEL & BAGEL』の米粉を練り込んだ和のベーグル3種(やわらかプレーン -米粉70%配合-、香る抹茶とあずき -米粉70%配合-、濃厚黒ごま -米粉70%配合-)や、国産野菜にこだわるちゃんぽん専門店『リンガーハット』による、米粉をブレンドした皮で包んだ「ぎょうざ」、ファミリーレストラン『和食さと』の、サクッと軽い衣の「大海老天丼」など、各店舗が趣向を凝らした品々が並びました。メニューを試食していたメディア関係者たちからは「驚くほどサクサク」、「このもっちり感がたまらない」と、米粉ならではの味わいについてさまざまな感想が。

このほかの参加店舗やメニューの詳細も、公式サイトでチェックを。食のプロたちがこだわり抜いてつくった米粉メニューを、ぜひ堪能してください。